Tanaka Ohzeki Research Group

情報数物研究会

2005年度 情報数物研究会

日程・場所 1月27日(金) 16:30−18:00情報科学研究科 電子情報システム・応物系3号館302号室
講演者 Jon Hatchett 氏(理化学研究所脳科学総合研究センター)
講演タイトル Spin models on disordered small-world networks
アブストラクト We study equilibrium properties of Ising spins and phase oscillators on sparse disordered small-world networks using replica and cavity techniques. We consider arbitrary distributions for the distribution of long range short-cuts including scale-free distributions and a model where the long-range bonds are dynamic themselves, albeit on a slower timescale. Finally, we consider the case where the "local" neighbourhood is clustered and thus we need to take cavities comprising several spins to obtain exact results.
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日程・場所 12月16日(金) 16:30−18:00情報科学研究科棟207中講義室
講演者 鈴木 正 氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
講演タイトル シミュレーティッド量子アニーリング
アブストラクト 一般の組み合わせ最適化問題に対する量子揺らぎを活用する アルゴリズムとして量子アニーリング法が注目を集めている。 私たちは最近密度行列繰り込み群(DMRG)の方法を用いた 量子アニーリングのシミュレーションを提案している。 セミナーでは量子アニーリング法の説明から始めて DMRGによるシミュレーション方法、そして シミュレーションによって得られた量子アニーリング法の 性能に関する知見を紹介したい。
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日程・場所 10月28日(金) 16:30−18:00 東北大学工学部 電子情報システム・応物系3号館302号室
講演者 井上 真郷 氏(早稲田大学理工学部電気・情報生命工学科)
講演タイトル Bowman-Levin近似によるLDPC復号法
アブストラクト 低密度パリティ検査(LDPC)符号は確率伝搬法(BP)に よって解かれ,これは,Bethe自由エネルギーの鞍点 条件を,Lagrange未定乗数を主変数として数値的な 繰り返し法で解いていると解釈できる.本発表では, Bethe自由エネルギーの最小化問題を,soft bitを 主変数として自然勾配法で解く手法を提案する. 数値実験では,復号条件によっては提案手法の方が BP及びconcave-convex procedure (CCCP)に勝る復号 性能が得られた.
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日程・場所 10月7日(金) 16:30−18:00 情報科学研究科棟207中講義室
講演者 山崎啓介氏(東京工業大学精密工学研究所)
講演タイトル 特異モデルと代数幾何
アブストラクト ニューラルネット,ベイジアンネット,隠れマルコフ モデルなどに代表される統計的学習モデルの多くは特異モデ ルというクラスに属することが知られている.このクラスの モデルに対しては従来の統計的手法を適用することができず, 現在様々なアプローチにより研究が進められている.特にベ イズ学習においては代数幾何を用いる手法が開発され,性能 解析のための数学的基盤が構築されつつある.本発表では特 異モデルと代数幾何の関係を解説し,最近得られた結果を紹 介する.
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日程・場所 6月17日(金) 16:30−18:00 情報科学研究科棟207中講義室
講演者 井上純一氏 (北海道大学大学院情報科学研究科)
講演タイトル 量子力学的効果に基づく最大周辺化事後確率推定の最良性条件
アブストラクト 確率的情報処理におけるミクロなラベルの推定法としては最大周辺化事後確率(MPM)推定 が知られており, その最良性の条件についてはNishimori-Wong によって与えられているが, この推定法は統計物理からみると情報処理系の有限温度での熱平衡状態を推定値として用いている. 従って, MAPエネルギー最小化とは異なり, 系のもつ「揺らぎ」及びその 最適制御が推定精度にとって本質的である. 一方, この「揺らぎ」として熱的なものとは別に, 量子力学的不確定性に由来するも のも自然界には存在し, 熱的な揺らぎが消失する絶対ゼロ度で最も顕著に現れる. 従って, 絶対 ゼロ度で純粋な量子揺らぎのみによるMPM推定の性能を評価することは重要ではあるが, 例えば, 量子モンテカルロ法などを用いて絶対ゼロ度の系をシミュレートすることは一般的に 言って非常に難しい. そこで, 本講演では画像修復と誤り訂正符号(Sourlas 符号)において純粋な量子揺らぎのみを用いた場合の MPM復元/復号の性能を可解モデルのレプリカ解析により調べ, その最良 性の条件を導出したのでそれを報告する. また, 誤り訂正符号においては[ゼロ復号誤り領域]と [有限誤り領域]の境界が「量子相転移」によって決まるので, その詳細な相図構造(含む:レプリカ対称性の破れ, シャノン限界) についても紹介する. また, 時間があれば量子アニーリングを議論する際に重要になる, 量子情報系のダイナミックスに関し, Suzuki-Kubo formula に基づく解析法についても触れたい.
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日程・場所 5月27日(金) 16:30−18:00 情報科学研究科棟207中講義室
講演者 増田直紀氏 (理化学研究所 脳科学総合研究センター)
講演タイトル 複雑ネットワークの科学:入門から最近の研究動向まで
アブストラクト 複雑ネットワークの科学が世界的注目を集めている。例えば、人間関係のおりなすネットワークは完全に規則的でもなければ全く乱雑でもなく、いくつかの特徴をもつ。実は、流行現象、疫病の伝播、コンピューターウィルスの伝播、生態系や遺伝子の相互作用、経済現象などはこのような複雑なネットワーク上で起こっている。本発表では、複雑ネットワークの科学の概要を、最先端の研究成果を交えながら紹介する。
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