Tanaka Ohzeki Research Group

情報数物研究会

2009年度 情報数物研究会

日程・場所 2010年2月12日金曜日16:00-17:30
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 Chiou-Ting Hsu 氏(National Tsing Hua University, Taiwan)
講演タイトル Tampering Detection in JPEG Images
アブストラクト With well-developed image editing software, general users could now easily enhance or edit digital image contents in various ways. However, these easy-to-use editing techniques also bring new challenges in digital forensics. Since JPEG has been a popularly used image compression standard, tampering detection in JPEG images now plays an important role. Tampering on compressed images often involve recompression and tend to erase those tampering traces existed in uncompressed images. We could, however, try to discover new traces caused by recompression and use these traces to detect the recompression tampering. The artifacts introduced by lossy JPEG compression can be seen as an inherent signature for recompressed images. In this talk, I will first give an introduction about image tampering detection and then present our proposed method by analyzing the compression artifacts both in spatial and DCT domain. To locate the tampered regions, we also propose a tampering regions localization method via quantization noise model and image restoration techniques. A series of experiments will be given to demonstrate the validity of the proposed features and quantization noise model, which both outperform the existing methods. Also, we will show the effectiveness and feasibility of our tampered regions localization method with the proposed image restoration techniques.
日程・場所 2009年11月13日金曜日10:15-17:00
東北大学 青葉山キャンパス内 電子情報システム応物系2号館204会議室
講演者 吉田真紀氏(大阪大学大学院情報科学研究科)
川村正樹氏(山口大学大学院理工学研究科)
田中和之氏 (東北大学大学院情報科学研究科)
チュートリアル講演会 電子透かしと確率的情報処理
各講演の詳細は http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~dex-smi/2009/DWPIP2009/をご覧ください
日程・場所 2009年11月6日金曜日16:00-17:30
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 坂田綾香氏(東京大学大学院総合文化研究科)
講演タイトル Partial Annealing模型と,進化モデルへの適用
アブストラクト   スピングラスのquench系の理論においては, スピン間相互作用Jはランダムに固まったものとして与えられ, そのランダムネスに関して平均操作をする. その際にレプリカ法が用いられる. このランダムなJのアンサンブルは, スピンの時間スケールに対して無限大の速さで急冷することで実現する. 言いかえると,quench系においてJの配位の実現確率は スピンによるバイアスを受けず,全ての配位が等確率で実現する.
  一方でスピングラス模型は, タンパク質やニューラルネットのモデルとしても用いられている. タンパク質やシナプスのネットワーク(J)は, アミノ酸や神経細胞(スピン)の状態を参照しながら時間発展する. 現存するJ配位は,急冷とは異なるダイナミクスを通して獲得されたものである. このようなJの構成過程を考える際には, Jとスピンというタイムスケールの異なる二つの自由度を取り入れなければなら ない.
  そこで我々は,Partial Annealingの方法を用いて, このような問題をまずは断熱極限から考えてみる. Partial Annealingとは, タイムスケールの異なる二つの自由度を持つ系について, 断熱極限を平衡統計力学の枠組みで記述する方法である. 本発表では,Partial Annealingの方法とその性質にして説明し, 実際に進化のモデルに適用した例について紹介する
日程・場所 2009年10月9日金曜日16:30-
東北大学 青葉山キャンパス内 電子情報システム応物系2号館204会議室
講演者 兼村厚範氏(京都大学大学院情報学研究科)
講演タイトル 画像超解像
アブストラクト 超解像は,低解像度の劣化画像を複数枚もちいて,より高解像度の画像を構成す る技術である.超解像は,統計的推測の観点からみれば,観測が与えられた下で の高解像度画像の事後確率分布を求める問題に翻案できる.事後分布は,高解像 度画像にかんする制約を表現する事前分布と観測過程を表す尤度からベイズの定 理により計算される.したがって,事前分布と尤度のデザインと事後確率の計算 方法がベイズ的超解像アルゴリズムを特徴づける.本発表では,事前分布・尤度 それぞれに隠れ変数を導入し,隠れ変数にかんして周辺化された周辺事後分布を 変分法により近似計算するベイズ超解像法[1]を紹介する.隠れ変数を事前分布 へ導入することにより,画像中のエッジ保存性が得られ,尤度へ導入すること で,観測の遮蔽にかんするロバスト性が獲得できる.また,非確率論的な定式化 に基づく超解像法や,近年進展が著しいスパース性を利用した画像復元法などに ついても議論したい.
参考文献:
[1] 兼村厚範,福田航,前田新一,石井信,“ベイズ超解像と階層モデリング”, 日本神経回路学会誌,vol. 16,no. 3,pp. 181-182,2008.
日程・場所 2009年6月8日月曜日10:15-17:00
東北大学 青葉山キャンパス内 電子情報システム応物系2号館204会議室
講演者 根本香絵氏 (国立情報学研究所)
林正人氏 (東北大学大学院情報科学研究科)
田中和之氏 (東北大学大学院情報科学研究科)
チュートリアル講演会 量子情報と確率的情報処理
各講演の詳細は http://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~dex-smi/2009/QIPIP2009/をご覧ください
日程・場所 2009年5月22日金曜日16:30- 情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 小渕智之氏(東京工業大学理工学研究科)
講演タイトル ±J イジングモデルのレプリカ数に関する相転移と零点
アブストラクト 情報科学と統計力学を結ぶ,主要な解析技法のひとつがレプリカ法である. レプリカ法は非常に汎用性が高いため,様々な用途に用いられ成果を上げてきた が,一方でその処方箋には意味の不明瞭な操作が付きまとう. 最も顕著なものはレプリカ対称性の破れ(RSB)とそれに対するParisi解の構成 である. 今回,我々はレプリカ母関数のレプリカ数に関する解析性を調べることで,この 問題について考察を行った. 具体的には,分配関数のモーメント平均のレプリカ数に関する零点を調べること で,母関数のレプリカ数に関する相転移を検出することができた. 本講演では,相転移と分配関数の零点の関係,及びレプリカ法について解説した 後,我々の結果を紹介する. 余裕があれば,RSBとレプリカ数に関する零点がどのように関係し得るかについ ても,議論を行いたい.
参考文献:
[1] Tomoyuki Obuchi, Yoshiyuki Kabashima, and Hidetoshi Nishimori: J. Phys. A: Math. Theor. 42 (2009) 075004
[2] DEX-SMI 2008 研究成果発表会講演概要
日程・場所 2009年5月19日火曜日16:30- 情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 川村正樹氏(山口大学大学院理工学研究科)
講演タイトル 電子透かしに対する情報統計力学からのアプローチ
アブストラクト 電子透かしとは,画像や映像などのコンテンツ情報に,著作権情報や IDなどの透かし情報をこっそりと埋め込む技術である. ヘッダなどに埋め込むのではなく,コンテンツ自体を知覚できない程度に変化さ せて埋め込む方法である. 不正なユーザによる改竄や消去などの攻撃を受けるため,透かし情報を冗長化 し,誤り訂正できるように埋め込む手法が用いられる. このような電子透かしの埋め込み手法には,シンドローム符号化を用いた方法 や,CDMAで用いられるスペクトル拡散を用いた方法などがある. CDMAの性能評価に情報統計力学が用いられるように,電子透かしに対しても情報 統計力学を適用することが可能である. 攻撃を受けた受信画像から埋め込んだ透かし情報が得られる事後確率を求めるこ とにより,最適な復号が可能である. 本講演では,電子透かしの基礎から情報統計力学における考え方までを講演す る.