情報数物研究会
2012年度 情報数物研究会
日程・場所 | 2013年3月20日水曜日13:20-17:30
2013年3月21日木曜日10:00-12:30 秋保リゾートホテル佐勘 会議室 蓬莱 |
講演者 |
田中和之氏(東北大学大学院情報科学研究科) Federico Ricci-Tersenghi氏(Theoretical and Computational Physics at the Physics Department of the University of Rome La Sapienza) 小渕智之氏(大阪大学サイバーメディアセンター) Tommaso Rizzo氏(Theoretical and Computational Physics at the Physics Department of the University of Rome La Sapienza) 片岡駿氏(東北大学大学院情報科学研究科) 長谷川雄央氏(東北大学大学院情報科学研究科) 森立平氏(京都大学大学院情報学研究科) 大関真之氏(京都大学大学院情報学研究科) |
研究会 | 2013 Workshop on Statistical Physics of Disordered Systems and Its Applications (SPDSA2013) |
各講演の詳細はhttp://www.smapip.is.tohoku.ac.jp/~smapip/2013/spdsa2013/をご覧ください |
日程・場所 | 2012年12月10日月曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 福島孝治氏(東京大学大学院総合文化研究科) |
講演タイトル | 格子上の充填問題の統計力的研究 |
アブストラクト | 箱にできるだけ多くのものを詰めるには...日常的にたびたび出くわす問いである.そして,隙間だらけの箱の空間と,それにもかかわらずどうしても入りきらない一つの物体を目のあたりにすることもたびたび起こる.本講演では,空間に物体を充填する問題を考察する. 特に空間を格子上に単純化することで統計力学や制約充足問題などの多くの問題と関係することがわかり,充填密度を変化させるときに相転移現象を示す二つの話題を提供する.一つは,配置に関して特別な制約条件を課しつつ最密充填を目指す問題で,そこではガラス的な転移が見られる. もう一つは棒状分子を格子上に配置する問題である.最密充填状態に至る中間密度の状態において配向秩序が現れることを報告する. |
日程・場所 | 2012年11月22日木曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 渡邉陽太郎氏(東北大学大学院情報科学研究科) |
講演タイトル | 言語処理分野における統計的機械学習の発展 |
アブストラクト | 言語処理分野においては、多様な言語情報が付与されたコーパスの整備が進んだことにより、多くの問題が統計的機械学習の枠組みを用いて扱われるようになった。本講演では、様々な言語解析の問題において高い性能を達成している、条件付確率場 (Conditional Random Fields) をはじめとする識別学習モデルについて概観し、言語処理の問題への適用事例および研究課題を紹介する。さらに、近年注目を集めているDeep Learningの言語処理分野への応用についても触れる。 |
日程・場所 | 2012年11月15日木曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 猿田和樹氏(秋田県立大学システム科学技術学部) |
講演タイトル | 画像認識による夜間歩行者検知技術 |
アブストラクト | 歩行者やドライバーの安全を守るための予防安全技術の一つとして,画像認識による歩行者検知技術が注目されている。特に,視認性の悪い夜間では自動車事故が重大な事態につながる割合も高く,歩行者検知技術の発展が期待される。しかし,対象空間が夜間であること,カメラ自体が移動することなどに起因し,固有の問題も少なくない。 本講演では,歩行者検知に用いられる基礎的な画像認識手法や特徴抽出手法について解説し,解決すべき問題点について述べる。さらに,画像解析や歩行者検知実験などの結果を交えながら,最近の研究成果や課題について紹介する。 |
日程・場所 | 2012年10月25日木曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 伊藤健洋氏(東北大学大学院情報科学研究科) |
講演タイトル | 解の遷移可能性:解空間の連結性を問う |
アブストラクト | 組合せ問題の多くでは,制約を満たす解(すなわち,実行可能解)を1つ求めればよい.その一方で,予め2つの実行可能解が与えられたとき,それらの間を段階的に遷移させる問題が近年研究されている.ただし,遷移の過程でも実行可能解のみを経由しなければならず,この点で「解空間の連結性」を問う問題とも言える.このような遷移問題は,計算機科学の最も基礎的な問題であるSATやグラフ彩色に対して,2005年ごろから研究がなされてきた.本講演では,このような遷移問題の枠組を概観し,グラフの点被覆やマッチングなどを中心に,最近得られた研究成果を解説したい. |
日程・場所 | 2012年10月18日木曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 山崎啓介氏(東京工業大学 大学院総合理工学研究科) |
講演タイトル | 潜在変数の推定とその精度の漸近解析 |
アブストラクト | 混合分布モデル、隠れマルコフモデル、ベイジアンネットワークなど潜在変数を含むモデルが情報科学において広く用いられている。モデルには大きく分けて未来のデータを推定する「予測」と与えられたデータに対する最適化を目的とした「分析」の2つの使われ方がある。前者については予測精度など様々な統計的性質が明らかになっている。これに対しクラスタリングなど潜在変数推定は後者に属し未解明なことが多い。本講演では予測と分析の違いを明確にしながら潜在変数推定について解説を行い、最近得られた推定精度の解析結果を紹介する。 |
日程・場所 | 2012年7月20日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 岩村雅一氏(大阪府立大学大学院工学研究科) |
講演タイトル | 情景中文字認識技術の最近の話題 |
アブストラクト | 文字やテキストは我々の身の回りに当たり前のように存在し、様々な情報を伝えてくれる重要な存在である。近年、カメラで撮影した情景画像に含まれる文字の認識技術が注目を集めている。本講演では、情景中文字認識に関してよく使用されるデータベースや最近発表された研究、最近行われたコンテストなどを紹介する。 |
日程・場所 | 2012年7月13日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 瀬川悦生氏(東北大学大学院情報科学研究科) |
講演タイトル | グラフ上の量子ウォーク |
アブストラクト | 量子ウォークと呼ばれるものには,離散時間と連続時間が存在するが,ここでは主に離散時間を扱う. 離散時間量子ウォークのプライオリティーに関しては,Gudder (1988),Aharonov (1993), Meyer (1996), Feynman 等,諸説あるが、ランダムウォークの量子版として,素朴な類推から生まれた. 現在,量子情報や物性個体物理,基礎物理,数学では対応する古典モデルの極限定理との比較,CMV 行列等,分野をまたいで様々な観点から,研究が活発に行われている. この発表では,グラフ上の量子ウォークの一般的な構成方法を与え,1, 2 次元格子,ツリー上等の例を通じ,量子ウォークの観測によって得られる最近の一連の研究により明らかになってきた分布の特徴的な統計的性質を説明する.時間があれば,グラフの各辺に長さを持つメトリックグラフ上のシュレディンガー方程式,所謂量子グラフとの対応関係についても述べる. |
日程・場所 | 2012年5月25日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室 |
講演者 | 大関真之氏(京都大学 大学院情報学研究科) |
講演タイトル | 有限次元スピングラスの理解へ向けて:ベーテ近似とその発展 |
アブストラクト | スピングラスと呼ばれる磁性体内では、不純物の効果により非一様な相互作用が生まれ、通常の磁性体とは異なる振る舞いを示す.この現象を理解する手段として、スピングラスの平均場理論は登場した.物理の文脈では平均場近似、ベーテ近似として定着する一方、他の分野でも同種の手法が提案されて、Belief Propagationと呼ばれ発展してきた.しかし思い起こしてみると平均場理論は、元々は空間的構造を無視した近似手段である.そのため理論的な限界や苦手な問題群は存在するのだ.平均場理論を越えて、空間構造を考慮した有限次元のスピングラスを調べる手法を基にして、Belief Propagationの改良に取り組んだ成果について、本公演では結果を交えながら紹介する. 本研究はRoma University "La Sapienza"にて行った在外研究の成果の一部であり、Ulisse Ferrari氏、 Tommaso Rizzo氏、そしてGiorgio Parisi氏との共同研究である. |