Tanaka Ohzeki Research Group

情報数物研究会

2013年度 情報数物研究会

日程・場所 2014年1月31日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 齋藤真樹氏(東北大学大学院情報科学研究科)
講演タイトル 非一様に離散化された変数空間における,離散的なMRFの周辺分布推定
アブストラクト マルコフ確率場(MRF)はコンピュータビジョンの多くの問題を解くために 使われる確率モデルである.本講演では,各変数が連続的な値を取る場合におけ る,MRFの周辺分布推定アルゴリズムに焦点を当てる.周辺分布推定のためのア ルゴリズムとしては一般に平均場近似や確率伝播法が知られているが,変数が連 続的な場合は解析的な反復解が求められない問題があった.本講演では連続的な MRFを平均場近似,確率伝播法で解くための,新しい離散化の方法論を提案する.
日程・場所 2013年11月22日金曜日14:40-16:10
電子情報システム応物系3号館2階大セミナー室(206号室)
講演者 坂田綾香氏(東京工業大学大学院総合理工学研究科)
講演タイトル Dictionary LearningにおけるSample Complexityの見積もりとBeliefPropagationアルゴリズム
アブストラクト Dictionary Learningとは,データがスパースに表現される基底を学習する問題 である. 本発表では,基底学習に必要なデータ数(Sample Complexity)の統計力学的見積 もりと,Belief Propagationアルゴリズムによる学習について紹介する.
日程・場所 2013年11月1日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 岡谷貴之氏(東北大学大学院情報科学研究科)
講演タイトル ディープラーニングの画像認識への応用
アブストラクト 画像認識の分野では,ディープラーニング,すなわち多層のニューラルネッ トを用いた機械学習の方法が,その高い性能ゆえに大きな関心を集めてい る.画像認識の正否は,画像からどのような特徴量を取り出すかにかかっ ている.従来は,研究者が取り出すべき特徴を手で設計し決定していたの に対し,ディープラーニングはこれを学習によって,データから自動的に 決めることができる.この点で,画像認識の研究は大きなパラダイムの変 化を経験しつつあると言える.多層のニューラルネットにこのようなこと が可能なのは,階層的な表現方法と適切な学習のメカニズムによって,高 次元空間にあって複雑な構造を持つ(自然)画像集合に内在する構造を, 活用し効率よく扱えるからだと考えられる.この辺りの概要を説明し,応 用例を紹介する.
日程・場所 2013年10月25日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 片岡駿氏(東北大学大学院情報科学研究科)
講演タイトル マルコフ確率場による未観測データ補完と領域分割
アブストラクト マルコフ確率場とは確率的情報処理の分野で最も使われているモデルであり, 画像処理,誤り訂正符号,ボルツマンマシンといった様々な研究に使われている. 本発表ではマルコフ確率場を使用した画像及び交通密度の未観測データの補間法と マルコフ確率場の一種である条件付き確率場を用いた画像の領域分割法について 紹介する.
日程・場所 2013年10月15日火曜日16:20-17:50
電子情報システム・応物系3号館2階大セミナー室
講演者 永田賢二氏(東京大学新領域創成科学研究科)
講演タイトル スパースモデリングによるデータ駆動科学
アブストラクト 近年,疎表現に注目した様々な情報処理の方法論であるスパースモデリングが情 報科学のみならず,生命・脳科学,地球惑星科学など様々な分野で 注目されて いる. 特に,平成25年度科研費新学術領域研究「疎性モデリング」が採択されたことか らもわかるように,隆盛を極めている. 本講演では,新学術領域研究「疎性モデリング」の目的・狙いを概説するととも に,そのキーテクノロジーの一つである,スペクトル分解につい て,理論・応 用の両面から解説し,今後のスパースモデリングの可能性について議論する.
参考WEBページ 「スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成」
日程・場所 2013年7月19日金曜日16:20-17:50
電子情報システム応物系3号館2階大セミナー室(206号室)
講演者 森立平氏(東京工業大学大学院情報理工学研究科)
講演タイトル Characterizations and generalizations of the Bethe approximation.
アブストラクト 近年,ループ計算とグラフカバーによる新しい二つのベーテ近似の特徴づけが発 見された. 本講演ではこれらの二つのベーテ近似の特徴づけに関して議論し,新しいベーテ 近似の一般化を提案する.
(発表は日本語で行われます)
日程・場所 2013年6月28日金曜日16:20-17:50
電子情報システム応物系3号館2階大セミナー室(206号室)
講演者 中島千尋氏(東北大学原子分子材料科学高等研究機構)
講演タイトル 交換モンテカルロ法を用いた素因数分解
アブストラクト 素因数分解は多項式時間で解くアルゴリズムが見つかっていない,『難しい』問 題と考えられている. 一方で,準指数時間(システムサイズの1/2乗の指数関数)で解くアルゴリズム, および量子コンピュータにより多項式時間で解くアルゴリズムはすでに知られて いる. そのため,3-SATやバーテックスカバー問題のようにNP完全であるとは考えられ ていない. そこで,素因数分解の問題を基底状態探索問題として定式化し,レプリカ交換モ ンテカルロ法を用いて調べることで,この問題の難しさに対してエネルギーラン ドスケープの構造の視点からアプローチしたい. 講演では,素因数分解問題のハミルトニアンとしての定式化について解説し,続 いて基底状態に最初に到達する時刻(モンテカルロステップ)のシステムサイズ依 存性を議論する.