Tanaka Ohzeki Research Group

情報数物研究会

2014年度 情報数物研究会

日程・場所 2015年1月30日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 桑谷立氏(東北大学大学院環境科学研究科)
講演タイトル マルコフ確率場モデルの地球科学への応用
アブストラクト マルコフ確率場(MRF)モデルは,地球科学分野においても非常に強力なツールになりうる. 本講演では,MRFモデルを岩石の温度圧力履歴解析や地球内部構造評価に適用した研究例を紹介すると共に,そこで浮かび上がった様々な数理的・実用的課題や今後の発展性について議論する.
日程・場所 2015年1月20日火曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 瀧澤重志氏(大阪市立大学大学院工学研究科)
講演タイトル 避難計画を中心とした防災対策の数理モデル化
アブストラクト 東日本大震災以降,防災対策への情報システム技術の応用が,それ以前に比べてより積極的に議論・実践されるようになった. 防災の分野で必要な情報は空間的な属性が付与されたものが多く,大規模・リアルタイムであることが望ましいが,反面,不確実性や欠損等がつきものである. またそれらの情報は,現在は防災担当者が直接判断に用いているが,近い将来,数理モデルに基づくより高度な意思決定手法に基づくサポートが期待される. 今回は,発表者が現在研究対象としている大阪市/府の避難計画に関して,主に離散アルゴリズムを活用したいくつかの研究事例を紹介しながら,確率的なモデルの導入可能性について議論したい.
日程・場所 2014年10月27日月曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 大関真之氏(京都大学大学院情報学研究科)
講演タイトル Decimation algorithmによるスパース解再構成
アブストラクト 圧縮センシングに代表されるように、線形観測モデルからの出力からスパースな入力を推定するという問題を考える. そこで頻繁に用いられるのがL1再構成である. スパースな入力を再構成するには非常に有効な手段であり、急速にその理解と応用がすすめられている. さて、スパースな解を得たいのであれば、L1再構成にこだわる必要はない. 問題の特性によっては、それ以外の再構成方法が有効である場合もある. 本講演では、非常に簡単な手法であり場合によってはL1再構成よりも高精度にスパース解を推定しうるDecimation algorithmについて、その基本作法といくつかの応用例を(医療画像再構成、カンニングをした学生間ネットワーク推定)紹介する. 時間が許せば、その性能限界についての統計力学的性質についても紹介したい.
日程・場所 2014年10月17日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 井上純一氏(北海道大学大学院情報科学研究科)
講演タイトル 圧縮センシングの絶対零度ダイナミックス
アブストラクト 圧縮センシングを最尤推定, もしくは, 信号ベクトルのL2ノルム最小化問題として解く復元アルゴリズムのダイナミックスの解析解を議論する. まず, アンダーサンプリング(圧縮率<1)の場合, 尤度に関する「勾配学習」を離散時間ダイナミックスで与えると, その平衡状態(解)は疑似逆行列を用いて与えられる. これはニューラルネットワークの"Adaline (Adaptive linear neuron)学習"に対応していることになるが, ここでは, 平衡解へ至る復元プロセスも解析的に記述できることを示す. 特に, 尤度-L2ノルムをコストとした場合や, ダイナミックスの測定行列アンサンブル依存性についても議論したい. 前者は, 正則化項であるL2ノルムの大きさ(λ)と得られる平均自乗誤差の関係をダイナミックスの観点から議論する. このとき, λの値の選び方によっては, 最尤推定と同程度の精度を得るためにオーバーサンプリング(圧縮率>1)が必要になることを示す. 後者は, 復元のダイナミックスが測定行列の行列要素からなる相関行列を「ランダム行列」とみなした場合, その固有値分布を用いて書けることを示す. なお, 尤度-L1ノルムをコストとする非線形ダイナミックスに関しては, いくつかの近似のもとではあるが変数縮約によってある程度までは復元ダイナミックスがマクロに議論できる. また, 有限温度でベイズ推定を行う場合には, ハイパーパラメータ推定も問題となるが,本講演では時間が許せばこれらハイパーパラメータ推定に関し, 現時点で得られた結果のいくつかを紹介したい.
日程・場所 2014年7月7日月曜日16:30-18:00
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 中山英久氏(東北工業大学)
講演タイトル 非線形SVMのバイアス項に関する考察〜実装との関係〜
アブストラクト Support Vector Machineは,機械学習の分野で代表的な識別器である. その中でも,非線形C-SVMは基本的なもので,パターン認識の性能が高いことで有名である. B-SVMはC-SVMの改良版で,C-SVMのバイアス項が陽に出てくるに対し,B-SVMのバイアス項は陽には出てこない. よって,数値計算の誤差を避けられることがB-SVMの利点であるといえる. ν-SVMは,C-SVMの別バージョンとして定式化されているが,C-SVMと分類結果が等価であることがわかっている. よって,新しいバージョンとして第四のSVMを考えることができる. 今回,第四のSVMであるνB-SVMについて,そのアルゴリズムおよび実装について講演する.
日程・場所 2014年5月30日金曜日16:20-17:50
情報科学研究科棟2階中講義室
講演者 安田宗樹氏(山形大学大学院理工学研究科)
講演タイトル マルコフ確率場の空間的情報を用いたモンテカルロ積分法
アブストラクト マルコフ確率場などの確率モデルを利用する場合,モデルの統計量の計算はもっ とも重要なタスクの一つである. しかし多くの場合,確率モデルは非常に高次元になり,それに伴い,統計量の計 算は計算量的に困難になっていく. モンテカルロ積分法は,統計量の近似計算法としてもっとも広く知られる汎用的 な方法である. 本講演では,モンテカルロ積分法の基礎から出発し,マルコフ確率場の空間的情 報を有効に利用した新しいモンテカルロ積分法を提案する.